2010年3月23日火曜日

報告する理由



 報告の目的はなんでしょう?
上司が現状を正しく理解し、次の打ち手を的確に判断するための材料を提供することにあります。

 簡単なようでも、これがなかなかできません。人は助言が好きなので求められてもいないのに自分の考えを伝えようとするのです。しかも曖昧な伝聞を自分が見てきたように報告する人がいます。あるいは自分の主観を真実として認識して報告する人がいます。これでは報告の主旨から大きく脱線です。

「あの店はよく売れています」「あの店は儲かっていませんよ」などもよくやりとりするテーマです。そのほとんどが曖昧な伝聞である場合が少なくありません。そんな場合は、根拠となるデータを持って話すべきなのです。

あるいは「あの店の店員さんのおしゃべりを耳にしたのですが」と情報の出所を断ってから、「店の売上減少の原因は価格設定にあるようです」と報告すれば、情報の妥当性について、上司もそれなりの意識で受けとめることができます。これを「店の売上減少の原因は価格設定にあるようです」とだけ言ったのでは、印象がまったく違ってしまいます。

 間違いが多いのが、「アプローチしたけれど売れません」という報告です。自分ではしたつもりだけど、実は少ししかしていないのに、全部したように報告したりする場合です。本当はよく売れる店だったのに、行動不足から売れていないだけだったという実例はすごく多いのです。だから責任者や運営会社が変わることで、いままでと全然違う結果になった事例がものすごく多いのです。

報告は正確に客観的に行わないと、とんでもない判断間違いを冒してしまいます。
自分の受けもった役割を果たせなかったことは、恥ずかしく思う気持ちは誰にでもあることです。だからといってそれを隠すような報告をすると、責任を果たせなかっただけでは終わりません。今度は上司の判断を狂わせます。上司、同僚、会社、関連企業全体、その家族に迷惑をかけることになります。

客観的な報告ができない人は、調査や取材をする場合も、事前調査もテキトーだし、曖昧なインタビューしかできません。


 会話には2つのパターンがあります。そのひとつが「ただ話すだけ」。もうひとつは「行動を促す」ことです。
報告の特徴は「事実をただ話すだけ」です。「こうなっています」「こういう変化があります」という事実のみを報告をするようにします。「行動を促す」パターンである「こう思います」「たぶんこうなるでしょう」という自分の考えはいったん横に置いて、事実の報告を先に行い、そのあと、必要であるなら自分の考えをつけ加えます。

参考までに、どちらかと言うとNHK のニュースは事実の報告に徹していますが、民放のワイドショーはニュースを伝える人の主観的な報告が混在しています。民放の背景にはスポンサーの存在も影響しています。学習になりますので、気をつけて聞いてみてください。

 事実の報告には数字を使います。「少しです」「余裕がありません」といった表現では、報告する側と報告を受ける側で、全然違うことを考えているということになりかねません。

「最近はよく売れています」では、正確な現状把握は不可能です。「商品Bですが、先月は、前年同月より2000kl 増えました、前月と比較しても1000kl 増えています。先週24 週は前年24 週と比較して1週間で500kl、今週25 週は前年24 週と比較して、3 日目で、すでに20kl 増えています」と数字で報告することが大切です。

報告がしやすいように、上司側も指示の仕方にも注意をしています。
たとえば「10 時から10 時30 分までの30 分で1 個販売してくれ」というような指示をするようにしています。

報告は事実を正確に、数字を使って行います。

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