2011年7月2日土曜日

顧客第一主義



「成功する組織には共通している点が一つある。それは顧客に重点を置いているということである。企業であろうと医師や弁護士、病主、病院、公共機関であろうと、顧客を大事にするところだけが成功するのだ。」・・・・「1分間顧客サービス」の序文にこう書かれている。・

ところが守られて実行されているかと必ずしもそうではない。顧客第一主義と掲げながらも、実際にはそうはなっていない。

顧客第一主義でなくても成功している要因はいろいろあるが、たとえばアップルが次ぎ次に出す製品の魅力は、アップルストアの対応もまずさを帳消しにする。それでも製品力が顧客にサプライズを与えているという点では見えない人間力が人々の心をとらえている。

製品力ではそれほどでなくても、独特の空気を発する空間の魅力で心をとらえる場合もある。あるいは仕組みで心をとらえることもある。しかし、それほどの魅力を発する組織がどれだけあるかと言えば数えるほどしかなく、唯一のよりどころとして顧客に重点を置くしかない場合がほとんどなのだ。

にも、かかわらず顧客第一主義になれないのは、お客さまを大事にすることよりも、それ以上の強い関心があるからだ。モチベーションが高くてもそのモチベーションがお客さま以外に向いていると、逆に顧客をないがしろにすることもある。そこでは結果と原因の関係が理解されていない。

因果関係の理解こそは仕事を、人生を豊かにするものだ。なぜスターバックスに列がだきるのか?なぜイケアには楽しそうに買い物する客が溢れているのか?現象は自然に発生したのではなく、意図されたものなのだ。結果を出すための原因を因果関係というプロセスとプロセスを生み出す環境によって導き出したのだ。

つまり顧客第一主義をスローガンのように掲げるのではなく、そこに至るプロセスと環境を用意するのが先なのだ。そのスタートが「人間を知る」ことだと思うのだ。

人間を知るために運命脚本とドラマ的な交流について説明した。それは売る側にあるし、顧客にもある。その背景にある心理は複雑だが、そこにマーケティングとマネジメントの本体が潜んでいる。それを紐解く作業は簡単ではないが、顧客第一主義をスローガンにしているよりは、よりよい結果に辿りつくだろう。

顧客に重点を置き、そこからしか得られない満足感に救われ、モチベーションが高まり、顧客の心を動かす感動に勇気を与えられる。自分がなれる最高の自分に進んでいくプロセスを歩いてみよう。マイ・プロジェクトだ。

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